Andes Collection

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布製品18点をご寄贈いただきました

このほど、東海大学アンデス・コレクションに額装された布製品18点が加わりました。この資料は、京都で自然繊維(カシミヤ、ビクーニャ、アルパカ、ペルーの天然コットン等)によるニットの製造販売を手掛けている株式会社リーフの代表取締役の宮嶋勇幸氏から寄贈されたものです。宮嶋氏は長年ペルーで繊維産業やビクーニャの保護活動にも貢献しておられます。そのため同社は、日本国内で唯一ビクーニャ製品を扱うアパレル会社でもあります。ご寄贈の経緯は、宮嶋氏のご子息である宮嶋研氏から2024年3月に文明研究所にご連絡をいただいたのがきっかけでした。会社として保有していた物品の整理を進める中、かつて現地で入手されたアンデス文明の織物等の寄贈先を探しておられたところ、本サイトをご覧になり、教育・研究に活用してほしいとの要望を受けて、今年6月に受贈しました。資料は現在、空調の効いた専用の収蔵庫に保管されています。

宮嶋勇幸氏によれば18点の資料のほとんどがペルーの高地、コルカ地方に由来するものとのことです。なかには高貴な人物の大判の衣装やワリ文化に由来する布製品もあります。投石紐(オンダ)3点、コカの葉などを入れたと思われる肩掛け袋(チュスパ)3点の他、貴重な布裂もありました。この秋からは、授業のなかで資料の整理を進めるとともに、本学のマイクロ・ナノ研究開発センターやイメージング研究センターなどの分析機器を使った研究を進めてまいります。

吉田教授は、「ペルーでの宮嶋様の繊維産業に対するご貢献は計り知れないものがあります。また国内でも著名なゴルファーのためにオリジナルデザインのセーターを提供するなど多方面でご活躍なさった宮嶋様から資料を受け入れることができたことを大変うれしく思います。受贈した資料の中には高地に由来する製品もあるとのこと、雨の多い高地由来の布製品は貴重で、これからの分析や研究が楽しみです。今後も文明研究所として継続して資料を受け入れ、文化財の散逸を防ぐ取り組みを続けていきたいと考えています。今回は京都に伺いましたが、本学から離れていても結構です。保管や取り扱いに困っている場合などがあれば、ぜひご一報ください」と話しています。

 

ご寄贈者の宮嶋勇幸様と紀代美様(梱包された寄贈品を背景に)(中央)。左右は寄贈品のうち二点

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